硝子体注射とは
硝子体とは目の内部にあるゼリー状の透明な組織で、硝子体注射は、この硝子体に向けて直接薬剤を注入します。
加齢黄斑変性(滲出型)、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、血管新生緑内障などの眼疾患によって、新生血管の増殖や黄斑浮腫などが引き起こされます。
これらの疾患は管内皮増殖因子であるVEGFが大きく関与しており、VEGFの働きを抑える抗VEGF薬を直接硝子体に注入する治療法が硝子体注射となります。
抗血管新生薬療法
硝子体注射の流れ
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1
診察
医師による問診で症状やお悩み、過去に罹った病気や服用中の薬等を伺い、精密検査を行います。
抗VEGF薬治療の使用が承認されている、下記5疾患と診断され、硝子体注射が必要と判断したら、患者様と相談しながら治療方針を決めていきます。
- 糖尿病網膜症(糖尿病黄斑浮腫)
- 網膜静脈閉塞症
- 加齢黄斑変性
- 病的近視(脈絡膜新生血)
- 血管新生緑内障
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2
来院前の準備
硝子体注射を行う場合、治療当日を含め数日間は抗菌薬の点眼が必要です。
ご自宅でも用量・用法を守って点眼を行ってください。この点眼は注射後も感染予防として行う必要があります。
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3
事前準備
瞳孔を広げる作用のある点眼薬をさしたのち、目の消毒や点眼麻酔を行います
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4
硝子体注射
針を刺しても問題のない白目の特定の場所に、非常に細い針で注射を行います。
注射自体の所要時間は1分程度です。
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5
術後の点眼
細菌感染を予防するために、指示された期間内は、引き続き抗菌薬の点眼を行ってください
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6
定期検査
定期的な受診と検査を行い効果の現れ方を確認し、状態に応じた治療計画を立てます。
経過によっては十分な効果を得るために追加で硝子体注射を行うこともあります。
注意事項
硝子体注射は微小ですが眼内への処置である以上、感染症リスクはゼロではありません。
これによって重度の視力障害が引き起こす可能性もあります。
注射前後に抗菌薬の点眼を欠かさず打つなど注射前後に詳しく説明した注意事項を守っていただくことで、このようなリスクを低減させることができます。
また、注射後しばらくは入浴や洗顔、メイク、運転など日常生活の制限を守ることが重要です。