硝子体と網膜について
硝子体とは、眼球内部の大部分を満たしている無色透明なゼリー状の組織です。
この組織が炎症や出血などにより混濁したり、網膜を牽引して網膜剥離となったり、様々な疾患を引き起こす原因となります。
こういった硝子体の異常に伴って発症する病気を治療するため、眼内の出血や濁りなどを硝子体と一緒に除去する手術が硝子体手術です。
松戸しげと眼科 手術担当医師のご紹介
坂西医師は、大学病院にて多数の難症例にも対応され、年間1,000件以上の手術を執刀されています。
非常に実績の多い医師ですので、安心して手術をお任せいただけます。
坂西良仁(さかにしよしひと)
順天堂大学医学部附属 浦安病院 非常勤講師
坂西眼科医院 院⾧
略歴
- 2006年順天堂大学医学部卒業
- 2008年順天堂大学医学部附属 浦安病院 眼科入局
- 2012年順天堂大学医学部附属 浦安病院 助教
- 2020年順天堂大学医学部附属 浦安病院 准教授
- 2024年坂西眼科医院 院⾧
順天堂大学医学部附属 浦安病院 非常勤講師
論文:筆頭著者
- Relationship between Image Quality and Reproducibility of Surgical Images in 3D Digital Surgery. J Clin Med. 2024
- 【再考!網膜剥離手術】双眼倒像鏡を用いた従来の網膜復位術, 眼科手術, 2023: 36(2)
- Twenty-four-month results of intravitreal aflibercept for macular edema due to branch retinal vein occlusion, Jpn J Ophthalmol,2021
- Subfoveal Choroidal Thickness and Treatment Outcomes of Intravitreal Aflibercept for Branch Retinal Vein Occlusion, Life(Basel),2021 他多数
学会発表
- 増殖糖尿病網膜症マスターへの一歩2024 第47回日本眼科手術学会学術総会
- 増殖糖尿病網膜症タンポナーデ第47回日本眼科手術学会学術総会教育セミナー
- 硝子体手術教育時の指導医の心得第47回日本眼科手術学会学術総会
- デジタル白内障手術・硝子体手術の進化NGENUITY&ARGOSの快適性第128回日本眼科学会総会ランチョンセミナー
- 難症例白内障手術無硝子体眼の白内障手術第39回JSCRS学術総会教育セミナー
- 硝子体道場2023~試練の先に~ シリコーンオイル下で浮いている増殖硝子体網膜症、どうする?
第46回日本眼科手術学会ランチョンセミナー - 裂孔原性網膜剥離-強膜バックリングについて, 第46回日本眼科手術学会教育セミナー
- Removal of Subretinal Strand Without Making an Intentional Retinal Hole,Retina World Congress,
- 増殖糖尿病網膜症手術マスターへの一歩,第45回日本眼科手術学会インストラクションコース
他多数
硝子体手術の流れ
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1
局所麻酔
眼の消毒をした後に眼球下部に麻酔注射を行います。
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2
白目部分に小さな穴をあけます
白目の部分に手術器具を挿入する小さな穴を4カ所あけます。
その穴へ眼球の形態を保つための灌流液を入れる注入針、眼内を照らす照明、硝子体を切除するカッターを挿入します。 -
3
硝子体切除
出血などで混濁した硝子体や網膜組織を切除し吸引します。切除した分量だけ眼内に灌流液を入れ置き変えます。
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4
手術終了
手術時間は、症状により異なりますが、20分〜1時間程です。
傷口から水やガスの漏れがないかを確認し、手術を終了します。
術後安静について
手術終了時に灌流液(眼内の組成に近い人工的に調整した液体)で終わる場合は術後体位の制限はありません。
網膜剥離では、剥離した網膜を元の場所に張り戻したり、黄斑円孔などでは、網膜の穴を閉じさせる為に、眼内にガスを注入します。
ガスを注入した場合は、術後数日間うつむき姿勢が必要になります(疾患の程度や疾患の部位によりうつむきしないこともあります)。
当院では患者様の負担を極力減らすために、術後の体位制限の期間は極力必要最低限になるよう努めております。
空気やガスは概ね1~2週間で自然と消失しますが、シリコーンオイルを注入した場合は数カ月後にオイルを抜く手術が必要となります。
手術の適応疾患
- 糖尿病網膜症
- 生活習慣病である糖尿病に合併して起こる網膜障害です。
網膜の毛細血管が詰まったり破れたりして、視力の低下につながります。最悪の場合には、失明に至る病気です。 - 裂孔原性網膜剥離
- 老化、網膜の萎縮、外傷などによって網膜に裂け目が生じ、そこから水分が侵入するなどして網膜が剥がれてしまう病気です。
- 硝子体出血
- 網膜の血管が切れるなどして出血し、硝子体腔に血液が溜まった状態を指します。
主に、糖尿病網膜症、網膜静脈分枝閉塞症、裂孔原性網膜剥離、加齢黄斑変性によって引き起こされます。 - 黄斑前膜
- 加齢、網膜剥離・網膜裂孔の治療などを原因として、網膜の前方に線維性の膜が生じる病気です。黄斑が遮られることで、物が歪んで見えたり、視力が低下したりといった症状を引き起こします。
- 黄斑円孔
- 後部硝子体剥離などによって、網膜の黄斑部に孔(穴)が空く病気です。黄斑部には視神経が集中しているため、その障害によって視力が低下します。
- 黄斑浮腫
- 糖尿病網膜症、網膜静脈分枝閉塞症、ブドウ膜炎などを原因として、黄斑部がむくみ、視力低下を招く病気です。物がぼやけて見えたり、歪んで見えたりすることもあります。
- 網膜静脈閉塞症
- 生活習慣病に伴う動脈硬化などにより、網膜の静脈が詰まる病気です。特に、高血圧の方に起こりやすい傾向があります。視力低下、視野の欠けなどの症状を引き起こし、最悪の場合には失明に至ります。
術後の注意点
日帰り手術は、術後の注意点を守ってさえいれば比較的自由に日常生活をすることができます。
しかし、手術である以上、感染症のリスク等が伴います。
手術後に急激に視力低下した場合、充血・眼痛といった症状が出た場合は、すぐにご連絡ください。
また、手術前後の診察時には、基本的に瞳を広げて(散瞳)診察を行います。
散瞳や、眼帯をしている状態では視野が狭くなり、遠近感が取りづらくなります。
手術当日は、できるだけご家族のお付き添いでご来院いただき、当日、翌日はご自身での運転による来院はお控えください。
費用について
基本的には、健康保険適応にて手術を受けていただけます。
網膜の状態や白内障手術の必要性などにより手術費用は変動いたしますので、詳細は医師よりご説明いたします。